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上体の作り方02

traitam.hatenablog.com

前屈み上体の作り方01の続きです。

2.パーツ作成でのデフォーマ

ここでは変形・回転デフォーマの設定について説明します。

2.1パラメータ作成順序によるデフォーマ階層の変化について

デフォーマの設定ですが、これは上体を最初に作るか最後に作るかによって変化します。
理由として“子階層のデフォーマが一緒に動く”ということです。
上体パラメータを設定するデフォーマが階層が上の方にあると仮定します。このとき、最後に上体パラメータを設定しようとデフォーマを変形させると折角作った他のパラメータ、子階層のデフォーマが壊れてしまいます。これを防ぐために以下のルールを守ってください

最初に上体を作る場合は上の方にデフォーマを配置する。
最後に上体を作る場合は一番下(もしくは二番目)にデフォーマを配置する。

です。公式では上の方にデフォーマを配置しているので早い段階で上体を作っていると考えられます。
今回私の場合は、最後に上体を作成したので下の階層に入っています。その点も含めて今回は説明します。
ただ、場合によっては下の階層に多く配置してある場所に設定をしないといけない場合があります(顔の上体用拡縮)。
その時は仕方なく修正します。プロトタイプの意味合いが強いので実用性は低いです。

2.2デフォーマ作成

デフォーマの作成ですが、回転・曲面デフォーマ両方を使います。
以下に細かく書いていきます。
また、上体以外の階層は公式のモデルを参考に行っています。公式の方から階層を一度設定してから参照すると分かりやすいと思います。

2.2.1 上体用にデフォーマを設定した場所

以下に上体パラメータで動かすパーツとデフォーマの種類を列挙します。
頭(顔・髪・その他頭部パーツ)(回転デフォーマ)
首(回転デフォーマ)
首のフリル前・後(曲面デフォーマ)
ブローチ(回転デフォーマ)
腰(曲面デフォーマ)
胸部(曲面デフォーマ)
胸(曲面デフォーマ)
左・右腕(回転デフォーマ)
スカート(曲面デフォーマ)
上体専用スカート(曲面デフォーマ)

の計12か所です。
この後は各パラメータの設定箇所です。

2.2.2 頭の回転デフォーマ設定

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頭の回転デフォーマは拡縮によって、前後移動の表現のために使います。
設定場所としては首の回転(体の回転X)の下です。

2.2.3 首の回転デフォーマ設定

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首の回転デフォーマは拡縮によって、前後移動の表現、また移動を行います。
設定場所としては首の曲面(角度Z)の下です。

2.2.4 首フリルの前・後曲面デフォーマ設定

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首フリルでは前後別々に曲面デフォーマを設定します。これは、角度による見えを表現するために曲面デフォーマの設定します。
設定場所としては首フリルの曲面(角度Z)の下です。

2.2.5 ブローチの回転デフォーマ設定

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ブローチの曲面デフォーマは移動用に使います。
設定場所としてはブローチの曲面(体の回転X)の下です。

2.2.6 腰の曲面デフォーマ設定

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腰の曲面デフォーマでは、主に上体の前屈みを行う時に変形させる用に使います。
設定場所としては胴体の曲面(体の回転X)の下です。

2.2.7 胸の曲面デフォーマ設定

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胸(乳房)の曲面デフォーマでは、腰の曲面と同様に前屈みでの変形を行う時に使います。
設定場所としては腰の曲面同様、胴体の曲面(体の回転X)の下です。

2.2.8 胸部の曲面デフォーマ設定

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胸部の曲面デフォーマでは、腰の曲面と同様に前屈みでの変形を行う時に使います。
設定場所としては腰の曲面同様、胴体の曲面(体の回転X)の下です。

2.2.9 左・右腕の回転デフォーマ設定

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左・右腕の回転デフォーマでは、拡縮による前後移動表現のために使います。
設定場所としては体のすくみ(肩すくめる)の下です。
肩すくめるは聞きなじみのないパラメータかもしれませんが、公式では非必須パラメータとして紹介されています。

04. 標準パラメータ設定 - Live2D Cubism 2 マニュアル

2.2.10 スカートの曲面デフォーマ

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スカートの曲面デフォーマでは、角度による見え方の変化のために使います。
設定場所は首の回転(上体)の下です。
首の回転にも上体パラメータが入っており、拡縮の変化がありませんが、設定を外すと上体パラメータが壊れました。たぶん設定ミスです。
今回、ここの部分では、スカートに模様が入っているため違和感なく後ろのスカートとうまくブレンドする必要があります。
模様が無ければ特に意識を行わなくてもいいかもしれません。

2.2.11 上体専用スカートの曲面デフォーマ

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上体専用スカートの曲面デフォーマでは、角度による見え方の変化のために使います。
設定場所はスカートの曲面(体の回転X)の下です。
これは本来見えないパーツを補完するためのパーツであるため、このような無理な動作をしない場合は使う必要がありません。
ただ、今回前屈みになるため角度的には後ろのスカートが見える、また1つのパーツだけでは無理がきてしまうので作成しました。
また上体専用スカートはパラメータゼロの上体では見えてはいけないので、曲面デフォーマで無理して見えないようにしています。

2.2.\0 この記事の最後に

見切り発車の上、情報が無い状態でのスタートであったため階層に順序が無く、また、未使用デフォーマが多く使われているのが見て取れると思います。
分からないこと、気になることがあればお気軽にコメントください。対応できる限り対応します。


次の記事では設定したデフォーマにパラメータを割り振っていきます。

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