ガレージ暮らしのトライタム

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ここがすごいね。アズールレーン大鳳のLive2D

はじめに

ツイッターを眺めてたらTLに流れてきた大鳳のLive2D。

色々と高い技術が垣間見えたので記事にしました。
お胸様の揺れ方も質量を感じる大変素晴らしい出来なのですがそれ以外で3点ほど。

素晴らしいと思った場所

指パーツの切り替え

肩から腕を振っているタイミングで切り替えることで違和感なく指が切り替わります。
最初はこの状態。
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そこからある程度切り替え後の形に近づけて
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1フレームで切り替える。
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指の切り替えについては一般的ですが変化のかけ方がすごく自然でフレーム単位で見ないと分からないレベルです。

前腕の影の切り替え

これも見てて驚いたのですが前腕は一切切り替えずに、影の不透明度で表現を行っているという点です。
動画最初の方では明らかに前腕に影が無いのに。
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後半ではこの通り前腕下半分に影が出来ています。
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作りの想定としてはベースとなる「ベタ塗り+アルファ」を基準に、「影パーツ」を作成し不透明度で表現を行っていると思われます。
そしてこれを大振りで腕を動かしている最中に不透明度を上げることで、より違和感のない表現に仕上がっています。
下手に前腕全部を切り替えるより、「腕のシルエットはそのまま」に腕の表現が行えるので違和感が減っています。この辺り下手に前腕全てをパーツ切り替えで表現を行うと、いくら素早い動きの中での切り替えでも切り替えのフェードイン・アウトが見えてしまうものです。
それを解消した今回の方法は特筆すべき項目です。

レコードの回転

そしてこれ。
Live2Dでは地味に難しい「パースの効いた回転表現」。表現方法についてはお手数ですが以下のTogetterをご覧ください。
togetter.com

Animatorでパーツを変形させることで回転デフォ―マだけで表現が行えますが、リアルタイムで再生させようとすると一苦労です。
リアルタイムで行う場合、Togetterの通りだとワープデフォ―マと回転デフォ―マでの力技になってしまいます。それか別の手法が既に編み出されていれば、その手法なのかもしれません。
しかし意外と難しい表現であるパースの効いた回転表現を入れているあたり、開発側の高い表現力が見て取れます。

おわりに

…なんだか最近Live2Dの商業レベルが一気に高くなっているような気がします。
ちょっと前までは、「前後表現のためだけに存在する線パーツ」ことはおろか、「輪郭・ベタ塗りと影パーツを分ける」とかも無かったような気がします。
線パーツについてはLive2DEuclidが出たあたりから表現を見るようになったと感じています。

Live2D界隈が盛り上がるのは大変良い事ですが、なんだか自分の技術が追い付かず置いて行かれてる感じがして悲しさを覚えます…。
あとSDKも愛して。


それでは皆さまよき創作ライフを。