上体の作り方01
Live2Dでは、上体というパラメータは熟練者向けのパラメータです。情報が少なく、かつ複雑です。
ここでは私自身の覚書も兼ねてまとめます。
上体とは何か。ですが、公式では以下のように述べられています。
「上体」というのは腰から上の上体という意味で腰を基準に上体を前や後ろに倒す動作をいいます。
「第1弾企画」⑥デフォーマを設定しよう : 夢のコラボプロジェクト
Live2DCubismでは、画面が二次元である、かつ視点移動ができないという意味では前後の動きというのは付けづらいです。
上記リンクでは簡単なデフォーマセットアップのみで、第10回に上体の作成記事があります。最初はこちらの方が動きが少ないため、他パーツとの干渉が少ないです。そのため最初に上体を作る場合は以下のリンクの方が良いと思われます。
ここでは前に腰を大きく折る動作になります。上体でも、より挑戦という意味の強い上体パラメータになります。
また上体自体、記事やノウハウが広まっていない、私自身がしっかり把握できていないという点から、話にまとまりが無かったりチグハグな場合があります、ご了承ください。
また、留意してほしいところがあります。公式とデフォーマの階層や変形のさせ方等、大きく異なります。
話が長くなりましたが以下から解説に入ります。
1.パラメータ作成のためのパーツ分け
まずパーツを分ける必要があります。前に腰を折る上体では、体のパーツが1つだと変形の際に破綻してしまうので体のパーツをいくつかに分割します。
複雑な動きを行わせたい場合はパーツ数が増えれば結構無理な動きも実装できます。しかし、その分パラメータ設定の際に労力が大きくかかります。
ここのトレードオフが完成までの壁となります。
/*余談:
モチベーション(動機付け)は期待値と価値の積で決まります。
[動機付け=期待(完成する見込み) * 価値(完成した作品の価値)]
という式が動機付けの認知理論としてあります。
完成した作品がとても質が高いものでも、完成する見込みが無ければ途中で折れてしまいモチベが無くなり完成しなくなります。
また、完成する見込みが十分にあっても、完成する作品に価値を見出せなければ同様にモチベが上がらず完成しません。
ここのバランスが取れていればモチベーションが高くなります。
これは創作や勉強に言えることです。覚えておいて損はないと思います。
余談ここまで*/
今回の上体で分割が増えるのは胴体と腕です。
正直腕は大きく上体に関わっていないのですが分割を一緒に説明します。
これは胴体と腕のみレイヤー表示した状態です。
これを、
フリル前・後
ブローチ
胸部
胸
左・右上腕
左・右前腕
左・右手(親指除く)
左・右親指
腰
に分割します。
ここで他のモデルと異なる点が、胸部と腰部の分割です。
前かがみになるときに腰は見えなくなります。しかし胸部は見えます。そのためこの2つを分割することにより実装を可能にしています。
胸部と胸の分割は胸揺れを実装するためです。胸揺れを実装しない場合は必要ありません。
1.2 上体専用パーツ
上体などで大きく動かす場合は、正面から見えているパーツだけでは足りない場合があります。
ですのでここでは上体の時にのみ見えるパーツを追加します。
今回はスカートのみです。場合によっては腕や胸の部分もブレンドで角度を変えようとしましたが制作時間上、削除しました。
上が通常見えるスカート。下が上体にのみ見えるスカートです。
結果的に言うと、どの角度まで動かすか、そしてどのように後ろが見えるのかイメージできないとこのパーツ作成が失敗します。私は失敗しました。
上が上体パラメータ0の時。下が上体パラメータ30(前屈み)の時です。
明らかに無理やり制作したことが分かると思います。
こうならないように、この段階で予め上体の時のイラスト下絵を描くことをオススメします。
今回はここまでです。
次回はデフォーマ設定です。